京都を代表する紅葉の名所、東福寺。 境内を覆い尽くす約2000本もの紅葉をひと目見ようと、全国からたくさんの観光客が訪れます。 そんな東福寺ですが、秋だけでなく一年を通して拝観できる美しい庭園があるのをご存知ですか? 国 […]

京都を代表する紅葉の名所、東福寺。
境内を覆い尽くす約2000本もの紅葉をひと目見ようと、全国からたくさんの観光客が訪れます。

そんな東福寺ですが、秋だけでなく一年を通して拝観できる美しい庭園があるのをご存知ですか?

国指定名勝の「本坊庭園」は、「方丈」の東西南北に4つの庭があり、中でも市松模様の「北庭」がレトロかわいいと、最近SNSでもじわじわ話題なんです。

記事配信:じゃらんニュース

方丈を囲む4つの庭を、心静かに観賞して

東福寺

京都駅の南東に位置する東福寺。臨済宗東福寺派の大本山であり、七堂伽藍と25か寺もの塔頭からなる境内は荘厳な雰囲気が漂っています。鎌倉初期の1236年に、公家である九條家の氏寺として、19年もの歳月をかけて創建されました。

境内には、三ノ橋川が流れる渓谷「洗玉澗」があり、秋になると辺り一面が紅葉で埋め尽くされます。特に「通天橋」からの眺めは最高で、シーズンになると橋の上では渋滞が起こるほど。そんな光景を少し離れた庭園から眺められるのが、今回紹介する「本坊庭園」です。

まずは廊下を渡り、広がる禅の世界に浸る

東福寺

東福寺の「方丈」の東西南北に作られた庭園は、お釈迦様の入滅を表す「八相成道」にちなみ、通称「八相の庭」と呼ばれています。1939年(昭和14)年、作庭家・重森三玲によって作られ、2014年に国指定名勝に登録されたことを機に、「国指定名勝 東福寺本坊庭園」の正式名称となりました。

作庭にあたり、東福寺が提示した唯一の条件が「境内にあった材料を、すべて廃棄することなく、再利用すること」。これは「一切の無駄をしてはならない」という禅の教えに基づいたものです。重森三玲は、庭づくりの支障となりそうなこの厳しい制約をも逆転の発想で活かすことによって、他にはない独創的で前衛的な庭園を完成させたのです。

北斗七星と、その向こうの天の川がロマンチックな「東庭」

東福寺

方丈を囲み、四方に作られている「本坊庭園」。拝観入口となっている庫裡より廊下へと進むと、進行方向右にまず見えるのが、北斗七星を描いた「東庭」です。星座を表現している7つの円柱は山内の「東司」、つまりトイレで使用されていた礎石を再利用したもの。

白川砂と苔で表現した空、そして背後に配した二重生垣の天の川で、北斗七星が輝く夜空を見事に表現しています。トイレを解体修理した際の余材を、きらめく星空に生まれ変わらせるなんて、既存の枠にとらわれない重森三玲感性だからこそ。そっと目を閉じれば、ロマンチックな小宇宙がまぶたの裏に広がるようです。

「南庭」は特徴的な石組みで、仙人が住む理想郷を表現

東福寺

庫裡から方丈へと続く廊下を進みながら左側を眺めると、白川砂に配した特徴的な石組みに目を奪われます。これが、古来中国の蓬莱神仙思想を表現した「南庭」です。神仙思想では、東の大海の彼方に仙人が住む「四神仙島」(蓬莱、方丈、瀛州、壺梁)があり、仙薬財宝があると信じられていました。

重森三玲は、渦巻く波紋で見立てた「八海」と、剛健に配した巨石が形成する「四神仙島」で、その理想郷を表現。6mもの長い石を横に寝かせて、絶妙なバランスを取りながら配した島々は、角度を変えながらじっくりと眺めたい神秘的な世界です。その奥、南庭の一番西側には、苔山の「五山」がそびえます。

東福寺
「京都五山」になぞらえた、南庭の築山。石を一切使用せずに、苔山の大きさや高さのみで造形美を追求。苔と白川砂とを区切る斜線の表現も効果的

大市松模様の「西庭」。眼下には「洗玉澗」も見下ろす

東福寺

日本古来の市松模様を描いた「西庭」。古代中国の田制「井田」の形に似ていることから、「井田の庭」とも言われています。大きな市松模様は、葛石とさつきの刈込で表現。この葛石は、勅使門から方丈にかけて敷き詰められていた縁石をリサイクル活用したものです。

葛石などの素材は、通常の庭づくりではほとんど用いられない材料ですが、それでも「一切の無駄をしてはならない」という禅の教えは守らなければなりませんでした。そこで重森三玲は考え抜いた結果、直線的な葛石を活用できる紋様として、日本の伝統的な市松模様を採用したと言われています。

刈りそろえられた緑が美しい「西庭」ですが、サツキの花が咲く季節には、華やかなピンクに彩られより一層美しい表情を見せてくれます。また、北側には約2000本ものモミジが茂る「洗玉澗」が広がり、「北庭」へと続く途中にある展望台からは、秋になると紅葉の海を見下ろすことができるんです。

苔と敷石が織りなす、小さな市松模様の「北庭」

東福寺

「西庭」と同じく、方丈の敷石を再利用して出来上がった「北庭」。灰色の敷石と、緑色のウズマキゴケが織りなすコントラストが目を引く、細かな市松模様が特徴的です。さらに秋になると、背景で色づいた赤や黄金色にモミジともあいまって、それは美しい光景が見られます。

ここで、注意して市松模様を観察してみると、あることに気がつきませんか。西庭側の市松模様は規則的に並んでいますが、奥(東側)になるほど敷石がまばらになっています。そして、東端ではポツリ、ポツリと消えていくような配置構成になっているのです。これは、西で生まれた仏教が東に広まるさまや、お釈迦様の入滅などを表現しているという説があり、意図的に作られたものなのです。

また、苔と白川砂の境目部分をあえてぼかすことで、独特の情緒を醸し出していますが、これは絵画のぼかし手法を用いたもの。通常の造園ではこのような技巧はほとんど見られず、学生時代に日本画を学んだ重森三玲ならではの工夫と言えるでしょう。

まとめ

4つの庭をめぐる、「国指定名勝 東福寺本坊庭園」。いかがでしたでしょうか。永遠のモダンをテーマとした、昭和の名作庭家・重森三玲が禅の教えを忠実に守り、山内の余材を無駄なく再利用して作りあげた名庭。紅葉の季節を逃しても嘆くことなかれ。いつ訪れても東福寺は見応えたっぷりの名刹なんです。

東福寺
TEL/075-561-0087
住所/京都市東山区本町15-778
拝観時間/【4月~10月末まで】9:00~16:30(受付終了16:00)、【11月~12月初旬まで】8:30~16:30(受付終了16:00)、【12月初旬~3月末】9:00~16:00 ※拝観受付終了は閉門の各30分前 ※境内は散策自由
定休日/なし
アクセス/JR・京阪東福寺駅より徒歩10分、京阪鳥羽街道駅より徒歩8分
料金/【本坊庭園】高校生以上400円、【小・中学生】300円、【通天橋・開山堂】高校生以上400円、小・中学生300円 ※境内は拝観無料
「東福寺」の詳細はこちら

※この記事は2018年11月時点での情報です



出典元

出典元:じゃらんニュース

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